震災特例法における相続放棄とみなし相続財産
平成23年6月21日に、東日本大震災により相続人となった被災者について、相続放棄や限定承認の申出期間を延長する特例法が公布、施行されました。これにより、相続放棄や限定承認をするか否かの熟慮期間が延長されることとなります。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00092.html
民法上、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内(今回の特例法による場合にはおいて、平成22年12月11日以降に相続開始があったことを知った相続人については、平成23年11月30日までの期間内)に家庭裁判所に相続放棄を申し出ることで、亡くなった被相続人の一切の権利義務を承継しないことになります。これにより、相続により引継がれる債務(借金など)の額が、同じく相続により取得する財産(現金預金、土地建物、有価証券など)の額を大きく越えている場合などには、相続放棄をしたほうが遺族にとって有利となります。
この場合、相続を放棄すれば、被相続人の遺産についてはすべて相続できなくなりますが、遺族が受取人となっている生命保険金等は、被相続人の死亡により生じたものではあっても、あくまでも遺族の固有財産であるため、民法上は相続財産に該当しません。
つまり、相続放棄をしても遺族は生命保険金等を受取ることができます。
ただし、相続税法上、生命保険金や死亡退職金などの民法上は相続財産に該当しないものであっても、いわゆる「みなし相続財産」に該当し、相続税の課税対象となります。
相続人が取得する生命保険金等については、「生命保険金等の非課税」の規定がありますが、相続放棄をした場合には適用がありません。よって、生命保険金等が基礎控除額を超える場合には、相続税が課税されます。
まとめると、「借金が多い人の遺族は、相続放棄をすることで借金から免れることができる。一方で、生命保険金等を受取ることができるが、相続税にご注意ください」ということになります。
(2011/07/01 税理士 江尾友宏)
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